片思いの相手を監禁して食事・排泄・精神・肉体を管理…『BLACK ROOM』9月公開

　片思いの女性に異常な執着を示して彼女を監禁、食事・排泄・精神・肉体の全てを管理する破滅的な青年の姿を描いた映画『BLACK ROOM』が9月12日より全国公開されることがわかった。俳優としても活躍する映画監督の辻岡正人が、企画、製作、監督、主演、編集、脚本、撮影・照明・美術監督を一人で務め、5年かけて情熱と貯金を全てつぎ込んで作り上げた本作は、第67回カンヌ国際映画祭のマルシェ・デュ・フィルム（映画マーケット）でも上映を果たした。

　主人公は、クリエイティブな仕事で実力を発揮できず、自らの死が近いことを悟った青年・毬乙（辻岡）。同僚（朝霧涼）の婚約者・清住（夕樹ゆう）に恋い焦がれ、残された命を相手と共に過ごすことを決意、主人と奴隷の形を作ればいずれ体も心も奪えると信じて彼女を監禁する。食事、排泄、精神、肉体を管理して清住の全てを奪おうとするも思うようにいかず、強引にでも奪ってみせようと電動ノコギリを手に彼女に襲いかかる……。

　「このままやっていても、作品は人の記憶に残らないかもしれない。それなら自分が心の底から作りたいものを、妥協せず作っていきたい」と本作の企画をスタートさせた辻岡が、心の中の欲望をあぶり出し、倫理や道徳を超越した「愛憎」をスタイリッシュかつバイオレンスな描写で大胆に切り取っていくさまは必見。メインの3人に加え、ヴィジュアリストの手塚眞、女優の愛染恭子、漫画家の御茶漬海苔、「帰ってきたウルトラマン」の団時朗など、多彩なキャストが出演している。（編集部・市川遥）

映画『BLACK ROOM』は9月12日より新宿バルト9ほかにて全国公開