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上映中止の要請をはねのけた釜山映画祭、政治圧力には負けない宣言

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カン・スヨン新任委員長(左)とイ・ヨングァン委員長の新体制で挑む
カン・スヨン新任委員長(左)とイ・ヨングァン委員長の新体制で挑む

 第20回釜山国際映画祭開幕まで2か月を切った6日、ソウル市内にて同映画祭執行委員長のイ・ヨングァン氏とカン・スヨン氏が記者懇談会を開き、政治事情によらない作品選定を行うと、映画祭の独立性を明言した。

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 昨年10月に開催された第19回釜山国際映画祭で、旅客船セウォル号沈没事故をめぐる韓国政府の対応を問題点として告発したドキュメンタリー映画『ダイビング・ベル(原題)』は、釜山市長から上映中止を要請されたが、映画祭側は上映を決行した。釜山市は監査結果に問題があったとして、今年1月、イ・ヨングァン執行委員長に辞任を要求。イ執行委員長は、第20回同映画祭は執行委員長2人体制で進めると表明し、先月6日に、主演映画『シバジ』や『ハラギャティ』などで知られる女優カン・スヨンが執行委員長に就任した。

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 カン執行委員長は、映画祭の作品選定基準について「釜山国際映画祭はもはや大韓民国だけの映画祭ではありません。第1回から作品の完成度、芸術性のみを基準に上映作品を選定してきました。亡命生活を送り、第三国を転々としている映像作家の作品、政治事情から自国で上映できない作品を紹介し、映像作家を招待してきました。その方針は今後も変わることがありません」と決然とした態度で映画祭の独立性をアピールした。

 一方、執行委員長2人体制を自ら提案したイ執行委員長は「映画祭の規模が大きくなった今、わたし一人では業務処理に限界があります。二人体制になったことはむしろ良かったと考えます。現在は一つの事柄に対しての意思決定を相談しながらやっていますが、いずれはカン・スヨン委員長と役割分担しながらやっていくつもりです」と現体制を歓迎する意向を示した。

 釜山市との確執について、イ執行委員長は「釜山市とはそれぞれに誤解があったようです。市長と直接対話することで誤解が解けたと考えています。カン・スヨンさんの執行委員長就任にも好意的でした」と和解へ向かっていることを明かした。カン執行委員長も「第20回釜山国際映画祭を無事に終えることこそがわたしたちの役目」と語り、結果を必ず出すと誓った。(取材・文:土田真樹)

第20回釜山国際映画祭は10月1日から10日まで釜山市で開催

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