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沖縄戦を生き抜いた93歳の元特攻隊員が証言!ドキュメンタリー映画公開

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元特攻隊員、93歳柳井和臣(よしおみ)さんが当時の心境を語る
元特攻隊員、93歳柳井和臣(よしおみ)さんが当時の心境を語る

 戦後70年の今夏、太平洋戦争末期の沖縄戦を生き抜いた特攻隊の証言を基に構成された、ドキュメンタリー映画『筑波海軍航空隊』が公開される。大学在学中に学徒出陣した93歳の柳井和臣(よしおみ)さんほか、3人の元特攻隊員も証言する。若月治監督がスポットを当てたのは、戦争末期、茨城県笠間市(旧友部町)の筑波海軍航空隊で沖縄戦のための特別攻撃隊(特攻隊)に編入された84人(うち60人が特攻で戦死)の若者たち。隊員の多くは学徒出陣により戦闘機搭乗員に選ばれ、その中からさらに特攻隊に志願し、任命されたエリートたち。将来への希望に満ち青春を謳歌(おうか)していた彼らは、その運命をどのように受け入れ旅立っていったのか。その心情を、元特攻隊員らの証言が伝えている。

 証言者の一人、柳井和臣さん(93)は、慶應義塾大学在学中に学徒出陣。第14期海軍飛行専修予備学生として特攻隊に編入された。編入時の心境については、「学生は兵役を免除されていたのが、戦局もいよいよ、ということで動員された。行くからにはがんばるぞ、とみんな勇躍でしたね。まさに国難、最大のピンチ、その大事に殉ずるという、男の面目なんです」と振り返る。意気込む反面、「死ぬのは嫌だという思いはある。まだ青春。言いたいことも夢もあった。(自分も人生を)22歳で閉じるか、残酷すぎる……」という思いもあったという。それでも「やるんだ」と駆り立てたのは、「(国や家や学校から)期待をかけられているってこと。期待され、少しでも戦局を打開する一翼を担えれば死んでもいいという思いはあった」と当時の心境を語った。

 さらに、柳井さんは「嫌だと思いながら死ぬか、ニコッと笑って、死ぬか。僕は特攻隊で親に残した(遺書代わりの)アルバムにも明るいことしか書かなかった。戦後の証言でも一切泣き言は言わなかった。(心情は)皆さんにくみ取っていただければ」とも話している。

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 映画では、柳井さんのほかいずれも90歳を超える3人の元特攻隊員、今年1月に95歳で亡くなった木名瀬信也さん、橋本義雄さん(92)、流政之さん(91)や、遺族、関係者らの話、また隊員たちの日記や、海軍報道員として特攻隊を取材した作家・山岡荘八氏の記事などから、若者たちの心情をつづっている。

 愛する婚約者を残し出撃していった隊員、その花婿のいない結婚式を挙げた女性のエピソードなども紹介される。特攻する側だけでなく、特攻された米軍側にも光を当て「戦争の無意味さ」「戦争の代償」を伝えているこの作品は、筑波海軍航空隊の旧司令部庁舎を同隊記念館として運営するなど、茨城県内のまちづくりや文化育成などを目指す団体「プロジェクト茨城」が企画。メンバーが若い観客と同じ目線で、インタビューを受けたり、特攻や戦争についての考え方を語るなど、戦争の記憶を後世に伝える活動を行っている。(取材・文 岩崎郁子)

映画『筑波海軍航空隊』は各地順次公開。
東京 8月1日よりヒューマントラストシネマ有楽町にて公開
名古屋 8月8日よりシネマスコーレにて公開
大阪 8月15日よりテアトル梅田にて公開

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