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スポーツ界のLGBTを追うドキュメンタリー…痛ましい、そして勇気あるエピソードの数々

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映画『アウト・トゥー・ウィン(原題) / Out to Win』より
映画『アウト・トゥー・ウィン(原題) / Out to Win』より

 現地時間3月29日、第29回ロンドンLGBT映画祭が閉幕した。閉幕を飾ったのは、スポーツ界におけるLGBTの歴史をたどったマルコム・イングラム監督のドキュメンタリー映画『アウト・トゥー・ウィン(原題) / Out to Win』だ。

 イングラム監督が本作を撮るきっかけになったのは、アメリカの花形スポーツ、アメリカンフットボールのマイケル・サム選手だった。大学のチームで活躍中にゲイであることを公表したマイケルは、見事NFL入りを果たし、結果ゲイであることを公表した初のNFL選手となった。NFL入りした際には、オバマ大統領から祝辞も寄せられている。

 イングラム監督には、マイケルがゲームチェンジャー(流れを変える者)だと瞬時にわかったという。そして着手した本作では、マイケルに至るまでのスポーツ界のLGBTの勇気ある、また痛ましいエピソードが明かされる。

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 例えば、イギリスで最初にゲイであることを公表したサッカー選手、ジャスティン・ファシャヌは、アメリカに渡った後、17歳の少年に性的暴行で訴えられ、イギリスに戻り自殺した。否認していたジャスティンはゲイであることで公正な審判を受けられないのではと危惧していたと報じられている。

 ウィンブルドン史上最多優勝など数々の記録を打ち立てたテニス選手、マルチナ・ナブラチロワには現在、女性のパートナーがいるが、若き日には、スポンサーが降りるからレズビアンであることを公表するなと言われたと話す。本当にマイケルがゲームチェンジャーとなり、スポーツ界が変わっていくことを願いたくなるドキュメンタリーになっている。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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