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最も美しい殺害方法とは?ベルリン映画祭金熊賞獲得の新鋭監督が語る!

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新鋭ディアオ・イーナン監督
新鋭ディアオ・イーナン監督

 第64回ベルリン国際映画祭で金熊賞(作品賞グランプリ)と銀熊賞(主演男優賞)を受賞した中国映画『薄氷の殺人』のティーチイン付き試写会が14日、ブロードメディア・スタジオの月島試写室で行われ、ディアオ・イーナン監督が日本の観客と語り合った。

映画『薄氷の殺人』場面写真

 上映終了後、観客の前に登場したイーナン監督は、「今回が3回目の日本です。このたびは自分の作品を紹介することができてうれしく思います」とあいさつ。「クライマックスは、100人いれば100通りの見方があっていい」と語る通り、本作は、説明を極力排した語り口で、観客の想像力を刺激する内容が特色。この日は、自分なりの解釈を監督にぶつける人の姿も見られ、イーナン監督も「それは興味深い解釈です」と満足げな顔を見せていた。

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 本作では殺人の道具としてスケート靴が使われる。「フィルムノワールはバイオレンスの部分をうまく作らなければいけない。ですから最終的に、スケート靴の刃物のところで殺害するという、最もシンプルで、最も美しい方法を思いついたわけです」と切り出したイーナン監督は、「実はこの映画に出資してくれた会社からは夏に撮ってくれと要望されたのですが、どうしてもスケート靴が撮りたかったので冬に撮ってしまいました」と笑う。

 とはいえ、冬の撮影は非常に過酷だったようで、「モニターが見えなくなるわ、カメラが動かなくなるわ、本当に苦労しました」と述懐。「ただ、もしも美しい雪景色を映してしまったら、あまりにも詩的で叙情的になってしまう。だからむしろ僕は汚れた雪景色を好みました」と語る通り、本作に登場する雪景色は、ジャンが体験する悪夢的な世界観をよりいっそう際立たせている。

 本作で銀熊賞を獲得した名優リャオ・ファンがふんするのは、未解決の連続猟奇殺人事件を調査する元刑事のジャン。本作では、事件の被害者たちが若く美しい未亡人のウー(グイ・ルンメイ)と親密な関わりを持っていたことを知ったジャンが、ウーのはかなげな魅力にとりつかれる中、やがて衝撃的な事件の真相にたどり着く姿が描かれる。(取材・文:壬生智裕)

映画『薄氷の殺人』は2015年1月10日より新宿武蔵野館ほか全国順次公開

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