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アカデミー名誉賞の宮崎駿監督、若手にエール「貧乏する覚悟で」

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アカデミー名誉賞を贈られたアメリカ、ロサンゼルスの宮崎駿監督
アカデミー名誉賞を贈られたアメリカ、ロサンゼルスの宮崎駿監督 - Getty Images Entertainment / Getty

 現地時間8日、米アカデミー賞を選考する映画芸術科学アカデミーから、その功績をたたえる名誉賞を贈られた宮崎駿(73)監督が、米ロサンゼルスで行われた式典後、会見に出席。オスカー像の行方と共に、日本の若手アニメーターに向けてエールを贈った。

 日本人としては、黒澤明監督以来、24年ぶり2人目の名誉賞受賞となった宮崎監督。しかし「黒澤さんも、もらいたくなかったんじゃないかな。今までのことを功労しますなんて賞はね、もらったってしょうがない。もっと生々しいものだと思うんですよ、映画を作るのって」と語ると、「賞では何も変わらないんですよ。本当に。もらうときはありがとうございますと受け取るけど」と続けた。

 オスカー像も自宅に飾るつもりはなく、「家族には1回見せますけど、後は鈴木さんの部屋……」と言うと、会見に同席した鈴木敏夫プロデューサーからすかさず「最後だから、ちゃんと自分で持っていてください。前のやつ(長編アニメ賞)は僕のところに置いてある」と突っ込み。すると監督は、「(ジブリ)美術館に寄付するっていうのもあるね」と満足気に語り、「こんなん地震のとき倒れて落っこちてきたら危ないですよ」と笑顔を見せた。

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 そんな宮崎監督は、すでに現役ではないとしながらも、絵を描くのはやめないといい、「できなくなっても、とうとうとやっていくと思います。そういうふうに生きようと決めていますので。それが仕事としてなのか、道楽になってしまうのか、そこらへんはまだ判断つきません」とコメント。鈴木プロデューサーが「性格ですよね。こう言って多分ね、死ぬまで働くんですよ」とつぶやくと、「そうすると、死ぬのがけっこう早くなると思いますが」と返していた。

 また会見中、日本の若手アニメーターに向けてエールを求められた宮崎監督は「貧乏する覚悟でやればなんとかなります」と一言。自分の仕事が周囲に全く認知されていなかった時代を振り返り、「職業で絵を描く人間を画工って呼ぶんです。それになるわけですから、目の前に広々とした道なんか広がりっこない」と断言。「アニメの仕事っていう道路じゃなくて、結局何もないところを歩くことになる。その覚悟を持って一生懸命やるしかない。それはいつもそう」と続けると、最後は「大丈夫ですよ。何も安定しないから、ほかの仕事も。そういう時期に来たんだと思います、みんな同じだと思っていい」と呼び掛けていた。(編集部・入倉功一)

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