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庵野秀明、宮崎駿との秘話明かす「エヴァ」のプレッシャーから助けられた…

第27回東京国際映画祭

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宮崎駿監督から励まされた過去を振り返る庵野秀明
宮崎駿監督から励まされた過去を振り返る庵野秀明

 映画監督の庵野秀明が27日、TOHOシネマズ日本橋で行われた、第27回東京国際映画祭の特集企画「庵野秀明の世界」内のプログラム『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に』上映に出席、「エヴァ」の制作で身も心もボロボロになったとき、宮崎駿監督に励まされた過去を振り返った。

 庵野にとって初の大型特集上映企画となる本特集。この日の庵野は、アニメ「トップをねらえ!」「ふしぎの海のナディア」「新世紀エヴァンゲリオン」など、自身の手掛けた監督作を中心に、たっぷりと語り尽くした。

庵野監督
宮崎駿から連絡があった……

 自分のことを「もともと監督に向く性格ではなく、誰かをサポートする方が向いている。今はものすごく無理して、維持するようにしている」と分析する庵野。ひとつの作品に入ると、後先を考えず全精力を傾けるといい、中でも「エヴァ」は精神的にも体力的にもギリギリのところで作っているという。「エヴァは本当に大変なんですよ」と何度も強調した庵野は、「体力的にも精神的にも毎回壊れて。(作るたびに)スクラップ&ビルドを繰り返している感じですね。今は結婚しているからまだましですが……」とため息。

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 テレビ版の後もそんなどん底の状態だったというが、当時の庵野を励ましたのが、宮崎駿監督だった。「テレビの後、プレッシャーがあって危なかった。それで、僕が危ないといううわさを聞いて、(宮崎監督から)会社に電話がかかってきたんです。(苦しいときは)作れるようになるまで休めばいいと。あれだけのものを作ったんだから、人も金も集まってくるからと。その後、劇場版を作らなきゃ行けないときだったのに」と述懐する庵野。

 つい先日も宮崎監督から連絡があったといい「(宮崎監督は)最後まで作る必要はないんだから、やめとけと言うんですけど、その後ですぐにちゃんとやった方がいいと言うんです。あの人は日替わりで言うことが違う」と語った庵野だったが、「今は(やめろという意見に)更新されていないから、がんばってエヴァもやっています」とコメント。新作についても「本当に大変なのでお待たせしています。『序』『破』『Q』と、(公開までの)間隔が2年、3年と開いているので、次は4年後かと年表を見て思いついた」とジョークを発しつつも、その直後に、宮崎監督の言葉がよみがえったのか、目頭をおさえ、「今、思い出して泣いちゃいました」とつぶやいた。(取材・文:壬生智裕)

第27回東京国際映画祭特集上映「庵野秀明の世界」は10月30日までTOHOシネマズ日本橋で上映中

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