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サンダンス映画祭ダブル受賞からオスカー有力候補の話題作『ウィップラッシュ』とは?

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J・K・シモンズ(左)とデイミアン・チャゼル監督(右)
J・K・シモンズ(左)とデイミアン・チャゼル監督(右)

 現在開催中のニューヨーク映画祭(N.Y.F.F 52)で上映された話題作『ウィップラッシュ(原題) / Whiplash』ついて、デイミアン・チャゼル監督とJ・K・シモンズが語った。

 本作は、19歳のアンドリュー(マイルズ・テラー)が名門音楽院でドラムを学んでいたある日、鬼教師フィッシャー(シモンズ)率いるバンドにジャズドラマーとして引き抜かれるが、ベストの演奏を望むフィッシャーはアンドリューに対して限界を越える指導をしていくというもの。映画『グランドピアノ 狙われた黒鍵』の脚本家デイミアン・チャゼルがメガホンを取った。今年のサンダンス映画祭で「審査員グランプリ」「観客賞」をダブル受賞している。

 鬼教師フィッシャーについて、シモンズは「彼は正常から逸脱したサイコパスのようで、同性愛者に偏見を持つが、生徒に厳しいのは欲求不満からではない。映画内でフィッシャーは孤独に見えるが、彼のアパートには奥さんと娘の写真が飾られていて、彼にはそんな背景がある」と説明し、さらに実際に参考にした人物については「もちろん、これまでさまざまな先生から学び、学生時代のフットボールコーチなどフィッシャーのキャラクター要素を持った先生も居たが、このキャラは特定の人物から影響を受けてはいない」と答えた。

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 今作はデイミアンの自伝的要素が含まれているそうで、「今作の使用曲『Whiplash』、『Caravan』は、高校のジャズオーケストラで僕がドラムを演奏していた曲だ。『Whiplash』はドラムが最も間違えやすい曲で、個人的に嫌いだった。一方『Caravan』は、個人的に演奏するのが好きで、もともとはバラードのような曲だが、今作では速いビートで、ドラムが崇高なものと感じられる曲となり、この2曲を基に製作が始まった」と明かした。

 今日の教師とフィッシャーを比較してみて「もちろん、フィッシャーは決して模範的な先生ではないが、彼には素晴らしい才能がある。僕の父親も公立学校の教師をしていたが、現在も、学校の先生ほど正当な評価をされていない職業はない。確かにフィッシャーの教え方は言葉で言いくるめるため、彼の教育が他の教師の役に立つとは思えないが、彼自身は世界一のジャズピアニストを目指したわけではなく、あくまで良い教師になりたいと思っているんだ」とギタープレイヤーとして経験のあるシモンズが語った。

 映画は、J・K・シモンズとマイルズ・テラーの演技力と監督のリズミカルな編集に圧倒される秀作。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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