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『思い出のマーニー』Wヒロインのスキンシップが多い理由

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身を寄せて隠れる杏奈とマーニー - 映画『思い出のマーニー』より
身を寄せて隠れる杏奈とマーニー - 映画『思い出のマーニー』より - (C) 2014 GNDHDDTK

 スタジオジブリ初のWヒロインを擁する映画『思い出のマーニー』は、孤独な少女・杏奈(高月彩良)が謎の金髪の少女・マーニー(有村架純)と出会い、ひと夏を通じて分かち合った秘密、そしてたどり着いた真実とは何だったのかをひもといた感動作。本作で印象的なのは、手を取り合ったり、抱き締め合ったりと、杏奈とマーニーの触れ合いが繊細かつ重点的に描かれている点だ。

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 米林宏昌監督は、原作であるイギリス人作家ジョーン・G・ロビンソンの同名児童書での二人の出会いのシーンにあったものを描きたかったと言う。「夢か現実かわからず『あなた、ほんとの人間?』なんて言って、二人はたくさん触れ合うんですよね。物音がしてマーニーが杏奈の腰を自分の方に引き寄せ、身を寄せて隠れる場面で、杏奈は他の人と距離を置いている女の子であるだけに『こんなに誰かとくっついたことはありませんでした』と書かれているんです。その時の“ドキドキした感覚”みたいなものを映画でも写し取っていきたいなというのはありました」。

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思い出のマーニー
ボートをこぐ杏奈とマーニー

 また、原題が「When Marnie was there(訳:マーニーがそこに居たとき)」であることに言及した米林監督。いつもの穏やかな語り口に少し力を込めると「この“there(そこ)”、本当にマーニーがすぐ“そこ”に居るという感覚を描けるかどうかというのが作品の中で一番重要なことだと考えていて、ここは一番力を込めて描きました」とマーニーの“実在感”を出すことが本作におけるチャレンジだったと語る。

 「例えば『となりのトトロ』だとトトロが居るだけで世界観がボーンと出てくるんですけど、マーニーがすぐそこに居るというのはすごく難しいんですよ。触ってくれた時の温もりや、風が吹いてネグリジェがどういうふうになびくとか、ネグリジェがなびいたときに体のラインがどう現れてくるかとか、あらゆるところでマーニーが本当にそこに居る感じを出すためには高度なアニメーション技術が必要なんです。今回、そこをやってみたっていう感じです」。

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 そうして米林監督が苦心して生み出したマーニーは本当にすぐそばに居るかのような存在感を持ち、杏奈との心の交流にすっかり感情移入してしまう人も多いはず。どうしてそんなにも女の子の心を上手く描けるのか? という問いに「わからないんですよね。結局自分の引き出しから出すしかないので、自分の中の“少女なるもの”を引っ張り出してくるんです」と柔らかく笑った米林監督。

 「実際、杏奈の場合は子供から大人に差し掛かる年齢で、ちょうど思春期のモヤモヤした気持ちというのは、女の子であっても男の子であってもあると思うので、そういうところを思い出しながら描いていました。でも杏奈とマーニーがこういうふうに仲良い感じっていうのは何かわかるような気がするんですよ。この年代の女の子はこういうような感じじゃないかなと、そういう想像も膨らませながら(笑)」と振り返っていた。(編集部・市川遥)

映画『思い出のマーニー』は公開中

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