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一番大切なのは、本人の気持ち…認知症の母追ったドキュメンタリー監督が語る

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関口祐加監督
関口祐加監督

 9日、映画監督の関口祐加が認知症の母との暮らしを赤裸々かつユーモラスにつづったドキュメンタリー映画の第2弾『毎日がアルツハイマー2』のトークイベントが都内で行われ、関口監督と本作の医学監修を務めた順天堂大学大学院精神・行動科学教授の新井平伊氏が登壇し、観客との質疑応答を交えながら認知症について熱く語った。

映画『毎日がアルツハイマー2』フォトギャラリー

 本作は、前作からさらに病気が進んだ母・宏子さんの今後を見据え、娘の関口監督が単身、パーソン・センタード・ケアという最先端の認知症ケアを学びにイギリスへと渡る姿に迫る。ノーリッチの認知症医療施設を訪問した関口監督は、看護師長や精神科医に突撃取材を敢行し、時折、笑いを交えながら自らの不安を率直に訴える。

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 当初は、認知症の母を撮り続けて映画にすることに批判的な声もあったという関口監督。ドキュメンタリー作家として、これまで優等生だった母が喜怒哀楽をさらけ出す姿に魅力を感じ撮り始めたのがきっかけだというが、そんな中で「認知症っていったいどういう病気なのだろう」という素朴な疑問が芽生えてきたという。そして、認知症への探求が始まったときに、新井教授と運命的に出会った。

 「沖縄のシンポジウムで先生にお会いしたのですが、そこで教えていただいたのは、『一番大切なことは、認知症のお母さんの気持ちはどうなんだ?』ということ。認知症になって母は2年間、引きこもったのですが、『それは認知症になったからではなく、認知症になったことに苦しんで、お母さんが自ら選んで行動に出たこと』という言葉にすごく納得して救われた」と振り返る。

 パート2を製作した経緯について関口監督は、「介護者のわたしからの視点ではなく『認知症患者から見た認知症』をもっと知りたいと思ったのが原動力。そのきっかけをくれたのが新井先生。映画の中で、人それぞれの人生の歴史を理解した上で認知症に対応する『パーソン・センタード・ケア』を学ぶ場面がありますが、とても当たり前のことだけど、なかなか難しい」と吐露。十人十色の個性があれば、認知症もまた、それぞれの対応の仕方があるということを、関口監督は今、母・宏子さんとの日々の中で学んでいるようだ。(取材:坂田正樹)

映画『毎日がアルツハイマー2』は7月19日よりポレポレ東中野ほかで全国順次公開

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