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『「闇」へ』のアレックス・ギブニー監督、新作は黒人解放運動家でアフロビートで先駆者フェラ・クティを描いた作品

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シェウン・クティ
シェウン・クティ

 映画『「闇」へ』でオスカーを受賞したアレックス・ギブニー監督が手掛けたアフリカのミュージシャン、フェラ・クティを描いた新作『ファインディング・フェラ!(原題) / Finding Fela!』について、フェラ・クティの末息子シェウン・クティが語った。

 同作は、ナイジェリアのアフロビートの創始者で黒人解放運動家でもあるフェラ・クティに関して、彼の家族や共に演奏したミュージシャンのインタビューを通して彼の内面に迫るだけでなく、当時のナイジェリアの情勢も交錯させながら描いたドキュメンタリー作品。

 フェラが活躍していた当時のナイジェリアの情勢について「政治が全てを左右することがある。当時(1970年代)のナイジェリアは、父が演奏したい曲を政府は(黒人解放などの政治的メッセージが含まれる理由で)ろくに演奏させてくれなかった。そのため父は、新たな曲を製作するたびに刑務所に入れられていた。だから僕にとってもナイジェリアの政治は重要で、アーティストが作品を製作するうえで、政治的メッセージが必要だとも思っている」と父親の意思をミュージシャンでもある彼は引き継いだようだ。

 父親との関係は「僕の兄や姉が子供の頃は、父は忙しかったため彼らと過ごす時間がなかったが、僕は父が45歳のときに生まれた。その頃父はミュージシャンとしても落ち着いて家に居る機会が多く、僕が学校から帰ってきて共に食事しながらよく話すこともあった。もちろん、黒人解放運動家やミュージシャンとして演奏している時の父とは全く違うが、父親として僕と十分な時間を過ごしてくれたし、何でもオープンに語ってくれた」と貴重な時間だったそうだ。

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 今作の出来について「これまでさまざまな媒体で描かれてきたフェラ・クティの作品群の中で、最も適確な作品だ。父のバンドメンバーの女性コーラス27人との合同結婚式や彼らとの結婚生活、さらに僕の出生前と出生後の出来事も忠実に映し出され、彼の政治的なスピーチを通してどんな人物だったかをしっかりと捉えている。もちろん、父はすでに亡くなっていて、彼の観点で全てが伝えられていないため完璧ではないが、今作は(父親を描いた作品としては)素晴らしい挑戦をしている」と満足しているようだ。

 映画は、フェラの曲は非常に長大なものが多いが、彼がどのように楽曲に情熱を注いだかも理解でき、アフロビートのファンだけでなく、幅広い音楽ファンにも共鳴できる作品だ。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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