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売れないミュージシャンの悲喜を綴ったドキュメンタリー映画が公開へ

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上映前後にミニライブを行ったKAZUYA
上映前後にミニライブを行ったKAZUYA

 12日、売れないミュージシャンの音楽人生を笑いで綴ったドキュメンタリー映画『KAZUYA 世界一売れないミュージシャン』の公開初日イベントが都内で行われ、本作の主人公となったKAZUYA田村紘三監督が登場して、トークライブを行った。

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 KAZUYAは90年代、札幌の音楽シーンで絶大な支持を得ていたバンドPHOOLの元ボーカリスト。映画はソロ転向後、集客も収入もわずかという環境の中、20年間も定職につかず、ミュージシャンとしての活動を続けてきたKAZUYAの日常と苦悩を描く。

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 田村監督は世間的には全く知名度のないKAZUYAをドキュメンタリーの題材として取り上げた理由を「PHOOLのファンだったというのもありますが、ものを作る人間が、彼の理想と現実を見ることで、何かしら感じられるものを作れればと思って題材にした」と説明。映画化の話を受け、KAZUYAのほうは「人気もないし、活動が盛り上がっているわけでもないのになぜ」と戸惑ったといい、撮影が始まってからも、「カメラを向けられるとかっこつけようとする自分がいて、自然な自分でいるにはどうすればいいかわからなかった」と悩んだという。

 KAZUYAはまた、これまでの音楽活動を改めて振り返り、「35歳までは自分は売れるものだと思っていた。でも、現実はそう簡単なものではなかった」とコメント。現在に至るまで20年以上も同棲生活を続け、下積みを支えくれた女性の存在も告白し、その女性が映画への出演は拒否したものの、映画の完成や仕上がりを喜んでくれたことを嬉しそうに報告。二人三脚だった女性とのミュージシャン人生をしみじみと振り返った。

 イベントには伏見直樹久保新二ら著名人も駆けつけ、KAZUYAは上映前、上映後にミニライブを行って、自身の代表曲「なぐり書き」や「鎮魂歌~レクイエム~」を披露。東京に来るのは生まれて初めてだったというが、本作のナレーションを担当したサエキけんぞうや漫画家でエッセイストの根本敬らとイベント前に交流を持ったことも笑顔で明かしていた。(取材・文:名鹿祥史)

『KAZUYA 世界一売れないミュージシャン』は新宿k’s cinemaにて、25日まで公開中(レイトショーのみ)

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