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渡辺謙「ケツの穴まで見せるつもりでやった」…入魂の一作を語る

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入魂の一作を語った渡辺謙
入魂の一作を語った渡辺謙

 俳優の渡辺謙が14日、都内で行われた映画『許されざる者』の公開記念舞台あいさつに佐藤浩市柳楽優弥忽那汐里小池栄子李相日監督らと出席し、「死に物狂いでやった映画。その映画を無事にお客さまに届けることができてほっとしている。どうか受け止めてやってください。そして育ててやってください」と客席へ向けてメッセージを送った。

映画『許されざる者』公開記念舞台あいさつフォトギャラリー

 昨年秋より極寒の北海道でオールロケを敢行し、魂を込めて作り上げた本作。渡辺は「この映画ほど、公開後に話をしにくい映画はない。何か話すとみんなと築いてきたものが崩れていってしまいそうで」と話し、言葉を選ぶように「李相日監督に俳優として全てを委ねた作品。基本的に監督が見たいもの、描きたいものを作るために、一俳優としてどこまで取り組めるか考え、ケツの穴まで見せるつもりでやった」と撮影時の思いを振り返った。

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 作品の完成に渡辺同様、感慨深い表情を見せた佐藤は「タイトルの『許されざる者』という響きがとてもいい。多かれ少なかれ、わたしたちはみんな許されざる者。許されたものは誰かを考える作品ではないか」と述べ、「特別な作品。少なくとも僕の50代後半のキャリアを決定付ける作品でしょう」と作品の出来にも自信を見せた。

 若手の柳楽、忽那はベテラン俳優を前に緊張気味。だが、柳楽は「間違いなく特別な1本です。先輩たちの中でハードルの高い役に挑めたのは貴重な経験」と話し、忽那も「上映後の舞台あいさつに参加するのは役者として初めて。皆さんと見終わったあとの興奮を共有できてうれしい」と充実の表情でコメントしていた。

 映画『許されざる者』は1880年の北海道が舞台。幕府軍の残党で、かつては「人斬り十兵衛」と恐れられた男が、愛する妻と出会い一度は刀を棄てるも、妻の亡き後、幼い子どもたちと極貧の生活にさらされる中、再び刀をとるという物語。10月3日に開幕する第18回釜山国際映画祭ガラプレゼンテーション部門への正式出品も決定している。(取材・文 名鹿祥史)

映画『許されざる者』は公開中

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