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今年のアカデミー賞最大のサプライズは?受賞結果を振り返る

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授賞式最大のサプライズ? 監督賞を受賞した『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』のアン・リー
授賞式最大のサプライズ? 監督賞を受賞した『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』のアン・リー - Jason Merritt / Getty Images

 現地時間24日、米ロサンゼルスにて第85回アカデミー賞授賞式が行われ、映画『アルゴ』が作品賞を含む3冠を達成した一方で、アン・リー監督の映画『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』が最多4部門で受賞した。最多12部門でノミネートされていた『リンカーン』と『アルゴ』の一騎打ちになるとみられていただけに、この結果は多くの映画ファンにとって驚きだったようだ。

映画『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』フォトギャラリー

 次点となる11部門にノミネートされていた『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』だが、ほぼ全てのノミネートが『リンカーン』『アルゴ』とかぶっていたため、事前予想の段階ではノーマーク。だがふたを開けてみれば、作曲賞・視覚効果賞・撮影賞と技術部門を立て続けに受賞したことに加え、アン・リーが監督賞を受賞し、最多となる4部門を制覇してしまった。

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 授賞式全体では、アン・リーの監督賞受賞が最大のサプライズ。ゴールデン・グローブ賞監督賞を受賞した『アルゴ』のベン・アフレックがまさかの落選となった同部門では『リンカーン』のスティーヴン・スピルバーグが本命、31年ぶりに演技部門全ノミネートを果たした『世界にひとつのプレイブック』のデヴィッド・O・ラッセルが対抗馬と目されていた。もちろん作品のクオリティー面でリーの受賞は文句のつけようがないものの、多くの人が予想していなかったことは間違いない。

 だが、今年の賞レースの結果を見る限り、監督賞はほぼ『アルゴ』のベン・アフレックが総なめにしており、リーの受賞は『アルゴ』がノミネートされていなかったからこそのサプライズ。そういう意味では、やはり『アルゴ』が監督賞ノミネートを逸したことが今年のアカデミー賞で最大の出来事だったことがうかがえる。

 また、本命視されていた『リンカーン』は、スピルバーグの監督賞だけでなく、トミー・リー・ジョーンズの助演男優賞受賞も逃し、オスカー獲得はダニエル・デイ=ルイスの主演男優賞と美術賞のみという寂しい結果に終わった。最終的には『リンカーン』『アルゴ』の間隙(かんげき)を縫った『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』の最多4部門受賞という今回の結果を、本命不在故の地味なものとみるか、それとも各作品が拮抗(きっこう)していたからこそのデッドヒート故のものとみるかは、人それぞれだろう。(編集部・福田麗)

「第85回アカデミー賞授賞式ダイジェスト」は3月3日(日)午後4:20よりWOWOWプライムにて放送

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