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『007』シリーズのドキュメンタリー作品とは? プロデューサーが明かす

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『007』シリーズのプロデューサー、バーバラ・ブロッコリ
『007』シリーズのプロデューサー、バーバラ・ブロッコリ

 映画『007/カジノ・ロワイヤル』や『007 スカイフォール』をプロデュースしたバーバラ・ブロッコリが、『007』シリーズのドキュメンタリー映画『エヴリシング・オア・ナッシング:知られざる007誕生の物語 / Everything or Nothing: The Untold Story of 007』について語った。

007最新作 映画『007 スカイフォール』場面写真

 同作は、『007』シリーズの原作者イアン・フレミングの生い立ちから作家としての苦悩、さらにその原作の映画化権を獲得し、シリーズの映画化を始めた制作者アルバート・R・ブロッコリハリー・サルツマン、そして同映画シリーズにジェームズ・ボンドとして主演した俳優たちが、製作の舞台裏を明かしていくドキュメンタリー作品。バーバラ・ブロッコリは、映画『007』シリーズの製作を始めたアルバート・R・ブロッコリの娘で、映画『007/ゴールデンアイ』から同シリーズの製作を担当している。

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 新作で23作目となる『007』シリーズだが、近年そのシリーズへのアプローチの仕方に変化はあったのだろうか。「シリーズを製作するうえで重要なのは、世界状況と主役を演じる俳優なの。わたしが、ピアース・ブロスナンとともに映画『007/ダイ・アナザー・デイ』を製作していたときに、あの9.11同時多発テロが起きたの。あの映画自体は成功したけれど、次のシリーズを新たに製作しようと脚本を書き始めたときに、どのような方向性でいこうか迷ったわ。なぜなら軽薄で、あまりファンタスティックなジェームズ・ボンドでは、その当時のシリアスな世界状況に合わないと思ったからなの。だから、共同制作者マイケル・G・ウィルソンとともに、原作者のイアン・フレミングが最初に執筆した長編小説『カジノ・ロワイヤル』を映画化し、シリアスな方向性に変えたの。そしてダニエル・クレイグが、それを(方向性を)主演で体現してくれたわ」と語った彼女こそが、周りの反対を押し切って、ダニエル・クレイグをキャスティングした張本人でもあった。

 『007』シリーズで、最初のジェームズ・ボンド役を演じたショーン・コネリーついて「彼こそがシリーズを始めるきっかけになったし、彼が出演していなかったら、今わたしがこの場で取材に応じることもなかった。でもほとんどは、制作者だった父親を通して会っていて、もう実際には何年も会っていないわ。ただ、彼とは面白いエピソードがあって、映画『007は二度死ぬ』を日本の離島で撮影していたときに、当時6、7歳だったわたしは体調を崩して寝込んだことがあったの。泊まっていた場所が畳で、西洋のベッドがなかった。でも、唯一西洋のベッドが送られてきたのが主演のショーン・コネリーだった。すると、わたしの病気を知った彼は、母のもとを訪れ、『病気の子どもがいるなら、このわたしのベッドを使ってくれ!』と言ってくれたの」と明かした。ただ映画内では、そんな微笑ましいことだけでなく、彼女の父親アルバート・R・ブロッコリとショーン・コネリーが対立していく経緯も描かれている。

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 ボンドガールのキャスティングについて「これが、わたしの仕事の最もエキサイティングで楽しみな一部なの! 『007』シリーズのここ10作品は、わたしがキャスティング・ディレクターを世界中に派遣させ、それぞれの国々で、その国のキャスティング・ディレクターを雇って、大規模な選考を始めるの。その選考過程は、テープに撮影されたものを我々が全部観て、次にその中からショートリストを選考する。それから、ショートリストに選考された人たちとロンドンで会って、さらにその中から数人のボンドガール候補をテストスクリーンしていくの。候補者は女優であったり、そうでないときもあるわ。ただ興味深いのは、監督、プロデューサー、キャスティング・ディレクターの好みがそれぞれ違って、全員が合意することは難しいと思われているけれど、常にボンドガールだけは、なぜかいつも一致するの」と語り、さらに新作のボンドガール、ベレニス・マーロウも同様で、彼女の繊細さとエキゾチックな個性に惹かれたそうだ。

 映画は、ジェームズ・ボンド役を一度しか演じられなかったジョージ・レーゼンビーや、幻の番外編『ネバーセイ・ネバーアゲイン』なども語られ、同シリーズのファンでなくても、楽しめる作品に仕上がっている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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