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あなたが眠っている間に働いている人がいます…ドキュメンタリー映画『眠れぬ夜の仕事図鑑』が公開決定

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映画『眠れぬ夜の仕事図鑑』場面写真
映画『眠れぬ夜の仕事図鑑』場面写真 - (C)2011 Nikolaus Geyrhalter Filmproduktion GmbH

 夜に働く人々の姿を追うことで都市生活者の裏側を描いたドキュメンタリー映画『眠れぬ夜の仕事図鑑』が7月下旬より全国で順次公開される。2007年に公開され、スマッシュヒットを記録した食にまつわるドキュメンタリー『いのちの食べかた』のニコラウス・ゲイハルター監督が、現在のヨーロッパの姿を確かに切り取った作品だ。

 本作でゲイハルター監督が注目したのは、夜に活動する人々。とはいっても「夜のお仕事」という言葉から想像される風俗嬢だけでなく、ダンスイベントのDJや国境警備隊、新生児医師、欧州議会の議員や同時通訳、自殺防止ホットラインの相談員、警察官……など、さまざまな職業にスポットを当てている。

 ヨーロッパ10か国・14か月にわたって撮りためられた170時間に及ぶ映像から切り出されたのは、現代社会の一つの縮図。ゲイハルター監督は、現代人が恵まれた環境にあることを指摘した上で、「しかし、私たちは独占・利益の制限・搾取といった犠牲を払うことで、この特権的な生活を手に入れているのです」と看破しており、本作では、そんな文字通り闇に隠された人々の生活が映画館のスクリーンに浮かび上がることになる。

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 日本でも24時間営業のレストランやコンビニが増え、生活は便利になった。だが、24時間営業しているということは、普通ならば眠る時間にも誰かが働いているということ。そうした当たり前のことを丹念なカメラワークでたどった本作について、ゲイハルター監督は「起爆剤、もしくは議論のきっかけとして意識を傾けるきっかけになればと思います。そうして、ようやくこの映画が始まるのだと思います」と意図を明かした。

 かつてアメリカの画家エドワード・ホッパーは、「夜更かしする人」を意味する「ナイトホークス(夜鷹)」と題された絵で、現代の都市に生きる人々の生活を描いた。映画的とも評されるホッパーとは対照的に、ナレーションや説明のないゲイハルター監督の画面は時として一枚絵のような印象さえ受ける。時代、そしてヨーロッパとアメリカという場所の違いはあれど、本作で描かれる夜の深さを、ホッパーのそれと同じだと感じ取る人もいるかもしれない。(編集部・福田麗)

映画『眠れぬ夜の仕事図鑑』は7月下旬よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

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