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秋葉原殺傷事件がモチーフの『RIVER』、3.11直後のクランクインに戸惑い…廣木隆一監督

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蓮佛美沙子と廣木隆一監督
蓮佛美沙子と廣木隆一監督

 10日、東京渋谷区のユーロスペースにて、秋葉原殺傷事件をモチーフにした映画『RIVER』初日舞台あいさつが行われ、主演の蓮佛美沙子、主題歌を歌うmeg、廣木隆一監督らが登壇、撮影中のエピソードや、作品への思いを語った。

映画『RIVER』フォトギャラリー

 本作は、2008年6月に起きた秋葉原殺傷事件で恋人を失った主人公・ひかり(蓮佛)が、秋葉原の街を15分ずっと歩いているという印象的なシーンからはじまる。カメラの長回しの経験が少ない蓮佛は、「最初、セリフを間違えたらどうしよう」と不安だったそうだが、「ひかりとして秋葉原を歩いてみたら、気持ちが出てきた。撮影したのが初日だったのですが、ちょうどよかったです。これでひかりがつかめた」と振り返る。

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 その撮影初日は、2011年3月11日の東日本大震災が起こってから2週間後に迎えた。「ちょうどこの映画の撮影の準備をしてるときだったので、撮影自体を中止するかという意見もあった」と廣木監督。「でも現実に起こったことに、待っていても目を背けても仕方がない。どうなるかはわからないけど、どんな気持ちになるかと思って」撮影を続けたという。「そのとき、その場所(事件の起きた場所)に立ててよかった。僕もそうなんですが、つらいことや、つらい記憶は薄れていく。でもそのときの気持ちをこの映画に移せたと思う。できれば毎年(この作品を映画館で)公開してほしいですね」と粛々と思いのたけを口にした。

映画『RIVER』は、傷ついた女性の心が再生するまでを描く、廣木隆一監督入魂の作品。(取材・文:伊藤南)

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