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『けいおん!』山田尚子監督が今だから明かせること…テレビシリーズ最終回にあったはずのせりふがなくなっている!?

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興収15億円突破の大ヒット作品に! - 『映画「けいおん!」』より
興収15億円突破の大ヒット作品に! - 『映画「けいおん!」』より - (C) かきふらい・芳文社 / 桜高軽音部

 現在絶賛公開中の『映画「けいおん!」』の山田尚子監督が、本作でやりきれなかったことや、やりたかったことなど、公開からしばらくたった今だからこそ言えることを明かした。「ロンドンの話ももっと見せたかったですし、唯たちの魅力とか関係性とか、1時間50分の間にもっと編みこみたかった」という山田監督は、「話をするなら一晩くらいいただけるとうれしいですけど」と本作について語ることが尽きないようだった。

『映画「けいおん!」』フォトギャラリー

 「けいおん!」を初めて観る人にも楽しめるような作品にしたかったという山田監督は、当初90分の作品にするつもりで制作をスタート。結果的にはオーバーし、110分で落ち着いたものの、山田監督は「自分の中でもっとやりたかったところもある」と明かす。一方で、「それだけ切ったから、見やすいものになったのかもしれないし」とまだまだ山田監督の中では決着がついていない様子だ。

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 「戦いだったんですよ」と制作を振り返った山田監督は、絵コンテの段階ではあったシーンやせりふを泣く泣く切ったことも告白。その一つが、テレビシリーズの最終回とつながる本作のクライマックス、テレビシリーズではあったはずのせりふが抜けている個所だ。「ムギと律ちゃんのたわいないやりとりですが『心の中で聴いてください』って感じでなくしてしまいましたね」と山田監督はそのときの心情を語った。

 興行収入が15億円を突破したのみならず、日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞するなど、深夜アニメの劇場版としては異例のヒットを記録している本作。だが、山田監督は「(手応えは)まだ全然ないです」と謙虚な態度を崩さない。その一方で、自身が舞台あいさつを行ったときに見た観客の笑顔は強い印象が残っているという。

 「(初日舞台あいさつでは)怖くて、観客の顔をあまり見ることができなかったんです。気に入ってもらえたかどうかわからなくて、ほとんど下を向いていたので」という山田監督だったが、その後の舞台あいさつでは、観客の顔をじっくりと観察。「みんなにこにこしていたので、よかったです」と観客の反応に満足した山田監督自身、観客として一度ならず本作を観に行っているとのことで、そのことを明かすときは「次で4回目で……ってまだ行く気なんですけど」と恥ずかしそうに笑っていた。(編集部・福田麗)

『映画「けいおん!」』は公開中

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