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これぞ地域医療の歴史!1952年から手術の様子などを16mmフィルムで撮影して保存 長野の総合病院に本格的映画部が存在

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佐久総合病院映画部
佐久総合病院映画部

 地域医療の礎を築いた医師の故・若月俊一氏と佐久総合病院(長野・佐久市)の60年に渡る取り組みをたどるドキュメンタリー『医す者として』が東京・ポレポレ東中野で公開中だ。同作品には1950年代からの貴重な映像が満載で、その映像を同病院に存在した映画部が記録していたことに驚きの声が広がっている。

映画『医す者として』場面写真

 映画部は前衛的な考えの持ち主だった若月医師を中心に職員有志らで1952年から活動を開始。医師たちが馬車に乗って出張診療に出向き、衛生管理や疾病予防の重要性を理解してもらうために「演劇部」(1945年に発足)が寸劇を行う様子や、当時の農民の暮らしぶり、若月医師のアジア・ヨーロッパ旅行記、そして手術の様子などを16mmフィルムで撮影。それらの映像を基に、『農薬渦』など数々の記録映画も発表している。

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 現在、映画部は休部中だが病院恒例のクリスマス会などイベント時に稼働。それらのフィルムは約30万フィートに及び、病院の薬事倉庫に保管されていたという。そこで映画部が続けてきた仕事を後世に残すべく、若月医師の長男である若月俊一らが中心となり、2008年に「佐久総合病院映画部 農村医療の映像記録保存会」を発足。映像をデジタル保存するアーカイブ化を進める一方、このドキュメンタリー映画が製作されたという。

 保存会メンバーでもある鈴木正義監督は、膨大なフィルムをほぼ全部チェックしたそうで「映像とはまた別に音声データも整理しなければならないので、あと5年はかかるのでは」と苦笑いする。それでも「地域医療を考えるきっかけになるだけでなく、かつてその土地に暮らしていた人たちが記念写真のように写っている、かけがえのない映像になっている」とアーカイブ化の意義を実感しているという。

 記録保存会では今後、インターネットなどで映像を公開し、全国の医療従事者などに活用してもらうことを考えているという。
 
 映画『医す者として』は東京・ポレポレ東中野で公開中。1月7日午前10時20回の上映後に佐久総合病院統括院長・夏川周介のトーク、1月14日午前9時30分からは『農薬渦』(1967)が特別上映される。(取材・文:中山治美)

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