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日本人初のアカデミー賞短編アニメ賞『つみきのいえ』に衝撃の事実!当初は『カールじいさんの空飛ぶ家』と酷似の設定

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「いや~、危なかった」と加藤久仁生監督
「いや~、危なかった」と加藤久仁生監督

 新旧の優れたアニメ作品を上映する恒例イベント「アニメーション古今東西」が今年で8回目を迎え、5日、東京・三鷹市芸術文化センターでシルヴァン・ショメ監督の最新映画『イリュージョニスト』が上映された。上映後には、第80回アカデミー賞で日本人初となる短編アニメーション賞受賞を果たした加藤久仁生監督が、ショメ監督の魅力やオスカーを受賞した自作『つみきのいえ』について語った。

映画『イリュージョニスト』写真ギャラリー

 『イリュージョニスト』は『ぼくの伯父さん』シリーズで名をはせたジャック・タチが娘のために書いた幻のシナリオを基に、長編デビュー作『ベルヴィル・ランデブー』で独特のセンスを発揮したショメ監督がアニメ映画化した作品。第83回アカデミー賞では『トイ・ストーリー3』『ヒックとドラゴン』と並び、長編アニメ賞にノミネートされた。

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 加藤監督は「ジャック・タチへのオマージュにあふれる作品で、きっとずいぶん研究して作画したはず。説明的なカット割りもないし、ディテールまで描きこんだ背景もすごく魅力的」とベタ褒め。あえて多くを語らない演出をはじめ、「観客が自分なりに理解してもらえる作品にあこがれる」と魅力を語った。

 この日は『つみきのいえ』の貴重なデザイン画も公開されたが、ここで意外な事実が発覚! 同作は海面上昇に合わせて、自宅を積み木のように増築する老人が主人公だが、当初は「老人が家を捨てて、風船で空に飛び立つ」という結末だったのだとか。これには客席の誰もが、ディズニー/ピクサーの『カールじいさんの空飛ぶ家』を連想してしまい、思わずザワザワ……。加藤監督もタイトルこそ口に出さなかったが、「まさか、あんな作品が公開されるとは。どっちが先とか、そういう問題ではなく、本当に危なかった(笑)」とヒヤヒヤしたと告白していた。

日本人初の快挙を成し遂げた3年前を振り返り「(受賞は)まぁ、たまたまです」と謙遜する加藤監督。「これからもアニメの本質的な魅力を突き詰めたい」と謙虚な姿勢を貫いた。

『イリュージョニスト』は昔ながらの手品を披露する老人が、自分のことを魔法使いだと信じ込む純粋な少女と出会い、彼女を失望させまいと、あの手この手で夢をかなえてあげる姿を描いたハートウォーミングな一作。惜しくもアカデミー賞長編アニメ賞は逃したが、ハリウッドのアニメとは一線を画す、淡い余韻を堪能できる秀作だ。三鷹の森ジブリ美術館が配給を手がける。

映画『イリュージョニスト』は3月26日より全国公開

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