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栗山千明「ぶち壊してゴメンナサイ!」種田陽平の『キル・ビル』青葉屋のセット

第23回東京国際映画祭

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『キル・ビル』の思い出話に花が咲く栗山千明(左)と種田陽平(右)
『キル・ビル』の思い出話に花が咲く栗山千明(左)と種田陽平(右)

 29日深夜、六本木ヒルズで開催中の第23回東京国際映画祭にて、文化庁映画週間「映画人の視点~種田陽平の世界」が行われ、映画美術監督の種田陽平が登壇。この日は海外の監督とのコラボ作『キル・ビル』『不夜城 SLEEPLESS TOWN』『シルク』が上映され、それぞれの作品に関連したゲスト(栗山千明リー・チーガイ監督、スー・チャオピン監督、映画プロデューサーの河井真也谷島正之前田浩子)を招いて深夜のトークを行った。

種田陽平が美術アドバイザーの映画『ゴースト もういちど抱きしめたい』場面写真

 今年は「借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展」を開催したり、映画美術を担当した映画『悪人』が公開されるなど、一般的には“種田イヤー”と呼べるような活躍ぶりだったが、「毎年忙しいので、今年だけが忙しかったわけではないですね。ぼくの名前を出すというよりも、映画美術の世界を知ってもらいたいということから少し発言をしたいだけなんですよ」と極めて自然体であった。

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 種田の代表作は数多くあれど、その中でもクエンティン・タランティーノ監督の『キル・ビル』に登場した青葉屋のセットは、独特の様式美で世界中を驚かせた。ゲストで登壇した栗山は、きれいな青葉屋のセットを大暴れして壊すのがもったいなく、はかなく思ったという。「そしたら種田さんが、映画美術というのは壊して初めて成立するんだよとおっしゃってくださって。感動しました」と映画美術の真髄に触れたときのエピソードを披露。そして栗山にとっても、女子高生の殺し屋ゴーゴー夕張というキャラクターは世界中に強烈なインパクトを与えたが、「あれからものすごく怖い人だと思われているんですよ。とても普通なのでよろしくお願いします」とコメントし、会場を笑わせていた。

 もともと栗山の役は台本で1ページ足らずのチョイ役だったのが、どんどん膨らんで大きな役になったというエピソードは有名だが、種田は「(主演の)ユマ・サーマンと栗山さんが向かい合うと、西洋人と東洋人なんですけど、同じ顔の対決に見えるんですよ。クエンティンは二人が大好きなので撮影止まらないんですよ。栗山さんが帰っても、ボールのアップや足のアップを撮り続けていました。思い出深いですね。ぼくにとって栗山さんというとゴーゴーなんです。ゴーゴーは世界中にファンが多いしね」と懐かしそうに話すと、栗山も「種田さんは(映画デビュー作の)『死国』でお世話になって以来、まったく変わらず優しく接してくれるんです。種田さんのセットは想像を超えるすばらしいもので、その世界に入り込ませてくれるんです。セットに入るのが楽しみなんですよね」と笑顔を見せていた。

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 そしてこの日は『不夜城 SLEEPLESS TOWN』のリー・チーガイ監督も登場。「『不夜城 SLEEPLESS TOWN』は特別な作品。いつもぼくの作品を手がける美術スタッフは量的にも質的にも70点なんだけど、種田さんは200点! そのセットを撮りきれないんだ。今でもあれ以上の映画はなかなか作れない。今でも挑戦し続けているんだ」と絶賛していた。そして『シルク』のスー・チャオピン監督も「種田さんの色彩感覚はすばらしい。台湾の映画人が撮影現場に見学にやってくるなど、台湾映画界に与えた影響は計り知れない」と絶賛していた。さらに河合プロデューサーは「79年の『太陽を盗んだ男』以来31年間、映画を撮っていない長谷川和彦監督という監督がいるんですが、シナリオは種田さんにデザインしてもらったんです」と赤と黒の色彩でデザインされた台本を披露。「彼の新作の美術スタッフには種田さんが参加することになっています。今はそれだけ決まっています!」と遅々として進む気配のない日本映画ファン待望の新作プロジェクトの一端をぶちまけていた。

第23回東京国際映画祭はTOHOシネマズ六本木ヒルズをメイン会場に10月31日まで開催中

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