畑道代さん死去　黒澤明監督作スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮『夢』の振付

　黒澤明監督作映画『夢』の振付も担当した日本舞踊家・尾上菊乃里（芸名）こと畑道代さんが29日、間質性肺炎のため亡くなった。73歳だった。

　畑さんは、1955年より尾上菊乃里を名乗り活躍。1972年に自身が代表を務める舞踊集団・菊の会を設立し、1976年には芸術祭大衆芸能部門で優秀賞受賞した。そのほか受賞は多数に上り、今年も東京新聞社の舞踊芸術賞を受賞した日本舞踊会の重鎮だった。

　1990年公開の黒澤監督の映画『夢』では舞踊シーンの振付も担当し、スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮、マーティン・スコセッシ出演という世界的にも注目を集めた本作に花を添えた畑さん。優れた芸術家がまた一人この世を去った。

　通夜は9月5日午後7時より、告別式は翌6日午前9時より落合斎場で行なわれる。喪主は菊の会副代表の畑聡さん。