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崔洋一監督『性的犯罪』が濡れ場のカットなど状態ひどく上映中止!弁士付き上映で緊急措置

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『性的犯罪』の上映がキャンセルになりお詫びに劇場チケットにサインをする崔洋一監督
『性的犯罪』の上映がキャンセルになりお詫びに劇場チケットにサインをする崔洋一監督 - Photo:Harumi Nakayama

 第39回ロッテルダム国際映画祭で、崔洋一監督と吉田喜重監督の特集上映が行われており、両監督が現地入りしている。 崔監督の大々的な特集上映が海外で組まれるのは、今回が初めて。世界に知られる北野武監督や大島渚監督とも深くかかわり、日本映画監督協会理事長を務めるなど現代の日本映画界を代表する存在として着目された。

 今回の企画に携わった英国の評論家トニー・レインズ氏は「彼の作品はバラエティに富み、かつパワフル。紹介するのが、遅すぎたくらいだ」と言う。上映されるのは、デビュー作『十階のモスキート』(1983)から最新作『カムイ外伝』(2009)まで14作。その中には監督2作目で手掛けた日活ロマンポルノ『性的犯罪』(1983)や、小泉今日子主演の短篇『ダイコン~ダイニングテーブルのコンテンポラリー~』(2008)、役者として出演している大島渚監督『御法度』(1999)と興味深いラインナップだ。

 しかし日活から送られて来た『性的犯罪』のフィルムが、肝心の濡れ場が別のシーンに入れ込まれていたり、何か所もカットされているなど状態の酷いもので上映をキャンセルする事態に。だが崔監督が今回、どうしても上映したかった貴重な作品であり、観客の要望も強いことからDVDで無料上映することが決定。英語字幕がないため、現地通訳が弁士を務めながらの応急処置がとられた。

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 崔監督は「『Aサインデイズ』(1989)もフィルムの状態が悪かったり、英語字幕も古い表現のものがあったりと、監督である僕自身が媒介となって管理する会社側と作品の保護について考えていかなければと思いましたね。でも、ロッテルダムの若くて、斬新な作品を模索している観客に見てもらえる意義は大きい。僕自身も処女作など昔の作品を観る気恥ずかしさがあったが、変わらない部分、進化している部分などを確認することが出来て刺激的だった」と振り返った。

 一方、吉田監督は夫人で女優の岡田茉莉子を伴っての参加。吉田監督の作品は、2008年にフランス・パリのポンピドー・センターで大規模な回顧上映が組まれるなどフランスでの人気は高いが、オランダではまだまだ知られざる日本の巨匠という存在だという。ロッテルダムでは監督作19本のうち『秋津温泉』(1962)など7本を上映。オランダ・アムステルダムにあるフィルム・ミュージアムで13本の特集上映が組まれる。

 吉田監督は「オランダは古くから日本などアジアとの貿易を重ねてきた歴史があるからでしょうか。アジアの映画を大事にしてくれている感じがします」と語った。(取材・文:中山治美)

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