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『ダージリン急行』のウェス・アンダーソン監督が、初挑戦人形アニメについて語る!

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ウェス・アンダーソン
ウェス・アンダーソン - Photo:Nobuhiro Hosoki

 映画『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』『ダージリン急行』などで人気のウェス・アンダーソン監督が、新作人形アニメーション映画『Fantastic Mr.Fox』(原題)について語った。本作は、農場から食料を盗んで仕返しを受けたミスター・フォックス(ジョージ・クルーニー)が、子ギツネ(ジェイソン・シュワルツマン)と母ギツネ(メリル・ストリープ)を助けるために奮闘する姿を描く。映画『チャーリーとチョコレート工場』のロアルド・ダールの「父さんギツネバンザイ」が原作だ。

 ウェス監督は、原作者ロアルドの自宅を訪れたことがあるそうで、「もう10年くらい前になるかな? 僕はロアルドの児童文学だけでなく、自伝的な『少年』や『単独飛行』などを読んでいて、彼を崇拝していた。実際に彼の住む場所を訪れてみると感情的になってしまったし、インスピレーションもわいた。その場所で僕らもこの映画の脚本を書いたんだよ」と興奮気味に語る。

 初めて人形アニメーションに挑戦したウェス監督だが「これほどいろいろなプロセスに時間がかかるとは思わなかった」と慣れない作業に苦戦した様子。「脚本を執筆、アニメ用の声優をキャスティング、声の録音、絵コンテを描いてプロダクション・デザイナーと相談しながら人形を選択する。その後は、アニメーションチームに任せたんだけど、アニメには予想以上の決断と時間が必要で、この映画の撮影だけで2年もの歳月を費やしてしまった。でもいったん撮影手法を理解すると楽しいもんさ。次回作とまでは言わないけれど、僕の残りの人生の中で、もう一回くらいは人形アニメーションに挑戦してもいいかな」とすっかりお気に入りのジャンルになったよう。

 ウェス監督が以前日本を訪れたときの滞在期間は一週間。しかし「滞在していたのが伝統的な旅館で、これまでの滞在場所と随分違って雰囲気がすごく気に入った。今度は長い休暇を取って、ゆっくりと滞在してみたい」と語る。常にスーツを着こなしているウェス監督は、性格も紳士的。ウェス監督の新たな挑戦となった本作は、まさに力作といえるだろう。(取材・文:細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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