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両親は白人なのに肌の色は黒!過酷な運命をたどった女性の実話を映画化!

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サンドラ・ライングとアンソニー・フェイビアン監督
サンドラ・ライングとアンソニー・フェイビアン監督 - Photo:Nobuhiro Hosoki

 白人の両親の間に生まれながら、肌の色が黒人と変わらなかった南アフリカ生まれのサンドラ・ライングの人生を描いた映画『Skin』(原題)について、サンドラとアンソニー・フェイビアン監督に話を聞いた。肌が黒かったことからアパルトヘイト時代に黒人として人種分類され、過酷な運命をだどるサンドラ(ソフィー・オコネドー)の人生を描く。

 アンソニー監督は「多数の遺伝子、ポリジーン遺伝によるものなんだ。例えば目の色は、優劣や分離の法則に従っているから、もし父親の目の色が茶色で、母親の目の色が青だったら、優劣の法則で子どもはブラウンになりやすい。しかし皮膚の色は、両親だけでなく先祖も含まれたいろいろな遺伝子から構成されるため、必ずしも両親の持つ肌の色をそのまま受け継ぐとは限らないんだ。すごくまれなケースだけどね」とサンドラの肌が黒くなった理由を説明する。

 1994年に南アフリカでアパルトヘイトが撤廃されたが、それによってどのような変化があったのだろうか? サンドラは「撤廃される前は、店によって白人と黒人の入り口が別だったわ。レストランのトイレでも黒人と白人で別々に分けられていたしね。それが今ではみんな一緒。でもいまだに黒人が差別を受ける話を聞くわ。わたしの子どもや孫たちが大人になったら、もっと開放的で自由な社会になってほしいの」と現在の南アフリカの状況を語る。

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 サンドラを演じるのは、映画『ホテル・ルワンダ』『イーオン・フラックス』などに出演するソフィーで、彼女はイギリス育ちだが、ナイジェリア人の父親とユダヤ人の母親の間に生まれた。「ソフィーは、ナイジェリア人の血を引く父親が2歳のときにいなくなってしまい、白人の母親の元で生活していたから、肌の色が黒いソフィーにとっては大変なことだったと思う。学校でも唯一の黒人だったらしく、周囲から疎外されていたらしい。サンドラの苦しみが理解できると思ったからこそ、彼女をキャスティングしたんだよ」とアンソニー監督。

 サンドラの両親は、娘が学校やメディアからひどい仕打ちを受けているのに対して、南アフリカを離れることを考えなかったのだろうか? 「サンドラの父親アブラハムは、誇り高きアフリカーナ(オランダ系移民の子孫)で、南アフリカでも特別な人種。彼は国のシステムによって、自分たちの家族の人種を変えられるのはおかしいと思ったんだ。だからアブラハムは国を離れることなく血液検査を受け、自分がサンドラの父親であることまで証明したこともあったそうだよ」とアンソニー監督は明かすが、この父親の頑固さが、後にサンドラとの確執を生むことになる。サンドラの母親はサンドラが子どものころ、これ以上肌の色を濃くさせないため、極力太陽の下で遊ばせないようにしたらしい。珍しいケースだが、人種差別を改めて考えさせられる作品となっている。(取材・文:細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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