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実在する自殺者多発の町「自宅前のストリートだけで5人の自殺者が…」-ロンドン映画祭

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自身もこの自殺の町の出身だというジェズ・ルイス監督
自身もこの自殺の町の出身だというジェズ・ルイス監督 - Photo:Yukari Yamaguchi

 第53回ロンドン映画祭に参加している『シェド・ヨア・ティアーズ・アンド・ウォーク・アウェイ』(原題)のジェズ・ルイス監督に話を聞いた。本作は、ボヘミアンの町として多くのヒッピーが押し寄せた60年代を経て、失業者、アルコール中毒、自殺の町となってしまった監督自身の故郷を舞台にしたドキュメンタリー。プロデューサー、脚本家だったルイスの初監督作となる。

 本作制作の動機について、ルイス監督は「僕の幼なじみがヘロイン中毒で亡くなったんだ。それに僕の家のあるストリートだけで5人も自殺者が出た。これは普通のことじゃないだろ?」と身近に起こった町の悲劇を語る。

 まだ子どもだった監督が越してきた70年代に、イギリス、ウェスト・ヨークシャーのへブデン・ブリッジは、すでに失業者であふれていた。「経済的にも傾いてきた時代で、もう荒れた状態だったよ」と監督が言う町で、仕事もなく、缶ビールを手に町のベンチにたむろして、無為に時を過ごす人々を本作では追っていく。「今では整備されて、きれいにはなってるよ。お金持ちが別宅を構えるような所になったけど、そのせいで地価が上がったりして、必ずしも地元の人にとってはいい状態ではない。むしろ悪くなってると思うよ」と話す。

 メインで登場するキャスは、その状態を何とか抜け出そうとロンドンに出て、アルコール中毒のリハビリも開始する。現在の様子を聞くと「体からアルコールを抜くのも順調で、がんばっているところだよ」とようやく明るい顔になるルイス監督だった。次の映画については「できれば、今度はコメディーみたいな明るいものがやりたいね」と本作でのつらさをにじませた。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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