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性器がアップのシーンまで完全上映!ポルノは不本意!と63歳の岩名監督の作品公開!

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63歳のダンディな舞踏家・岩名雅記監督
63歳のダンディな舞踏家・岩名雅記監督 - Photo:Harumi Nakayama

 フランス在住の舞踏家・岩名雅記の初監督作『朱霊たち Vermilion souls』が、第38回ロッテルダム国際映画祭で上映された。出品された部門は、新鋭監督の作品を集め、オダギリジョー監督の『さくらな人たち』と同じ「ブライト・フューチャー」部門で、60歳で監督に挑み、現在63歳になる岩名監督は、同部門最高齢監督だ。岩名監督は「年齢なんて気にしてられません。最低3本は映画を作ろうと思っていますから」と若手に劣らぬ意気込みを語った。

 岩名監督は、TBSを経て、1975年に舞踊の世界に飛び込んだ異色の経歴の持ち主。1988年からは仏に拠点を移し、世界各国でワークショップなども行っている。同作品は、以前から映画製作を夢見ていた岩名監督が、4年の歳月を経て完成させたもの。第2次大戦後の東京を舞台に、難病で幽閉された人たちが、死を直前にして「生」を意識する日々を、モノクロ映像で幻想的に描いた人間ドラマだ。しかし自主製作と予算がないため、仏・ノルマンディの自宅周辺の大自然を、戦後の東京に見立てて撮影。俳優たちは、舞踏家仲間を集めた。

 日本では2007年に公開されたが、映倫で性器がアップになった性描写が問題視され、泣く泣く削除した経緯がある。今回は、そのシーンも含めた完全版での上映だ。もっとも、「今回の映画祭プログラムにも、ポルノでさえ演劇的でアーティスティックだと書かれてまして(苦笑)。“ポルノ”という表現が不本意なんですけどね」と苦笑いしていた。

 岩名監督はすでに、監督作第2弾となる、“あがない”をテーマにした家族劇『夏の家族』の撮影を終了。3作目の脚本も執筆中と、精力的に活動している。岩名監督は「そのためにスイス・ボレックス社の16mmカメラを購入し、カメラを固定させた、敬愛する“小津スタイル”で撮影しました。自主製作と厳しい状況ではありますが、自分のエネルギーが続く限り、映画を撮りたいと思ってます。ただ3本というのは、この先そう長くないから、それくらいかなと思っているんですけど(苦笑)」とちょっぴり弱気な姿勢も見せていた。(取材・文:中山治美)

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