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コンペ作品『トリック』は13歳年の離れた姉にささげた名作

第20回東京国際映画祭

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サングラスを外したアンジェイ・ヤキモフスキ監督(左)と、エヴァ・ヤキモフスカ美術監督(右)
サングラスを外したアンジェイ・ヤキモフスキ監督(左)と、エヴァ・ヤキモフスカ美術監督(右)

 26日、第20回東京国際映画祭コンペティション部門に出品されたポーランド映画『トリック』の公式記者会見が六本木ヒルズTIFFムービーカフェにて行われ、アンジェイ・ヤキモフスキ監督と、エヴァ・ヤキモフスカ美術監督が登壇した。

 ヤキモフスキ監督の13歳年の離れたお姉さんにささげられたという本作。登場する主人公の男の子、ステフェクと、姉のエルカとの関係は、監督とお姉さんの関係ととてもよく似ているそうで、「人生を変えてくれるような脚本を書くのは難しいが、人生を書いた脚本は面白いよ。だから僕は、自分の人生をそのまま引用してしまったんだよ(笑)」と笑顔をのぞかせた。

(東京国際映画祭コンペ作品の紹介はこちら)

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 一方、美術監督のエヴァは、監督の幼いころのイメージを再現するため、「脚本の持つ独特の空気感、雰囲気を損なわないようにするのがわたしの仕事。でも、ロケ地選びは1番大変だった……」と相当苦労したらしく、監督からの「ロケ地の雰囲気と、僕が生まれ育ったワルシャワ市内の工場近くは確かによく似ていたよ(笑)」との言葉に、うれしそうな表情を浮かべていた。

 会見中、終始うつむき加減でポツポツと話ていたヤキモフスキ監督。とてもシャイな性格のように見受けられたが、最後に設けられたフォトセッションの時間が終わりを迎えるころ、何かを思い出したかのように突然かけていたサングラスを外し、「ない方がいいよね?」とほほ笑んだ。監督のちゃめっ気と、優しさが感じられた瞬間だった。

 『トリック』は、駅で見かける男を、ろくに顔も覚えていないのに父親だと思い込んだ少年が、さまざまと小さないたずらを仕掛け、母親と会わせようとするハートウォーミング・ストーリー。

第20回東京国際映画祭は、六本木ヒルズと渋谷Bunkamuraをメーン会場に20日から28日まで開催される。
東京国際映画祭オフィシャルサイト tiff-jp.net

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