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ラスト・クリスマス (2019):映画短評

ラスト・クリスマス (2019)

2019年12月6日公開 103分

ラスト・クリスマス
(C) Universal Pictures

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.5

くれい響

この手堅さが、逆に侮れない

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

名曲&『クレイジー・リッチ!』便乗ラブコメに見えながら、これがなかなか侮れない。下世話なノリやポリコレ感の強さなど、ワーキング・タイトル作品とは一線を画すポール・フェイグ監督の味が色濃く、冗長な印象も強いなか、今回は103分にまとめるなど、職人として一皮剥けた感もアリ。ミシェル・ヨーの役回りにも驚かされるが、ビッチ設定に関わらず、エルフのコスプレがキュートなエミリア・クラーク演じるヒロインの過去が、自身の実体験とシンクロする点は興味深い。ドラマを盛り込み、肝心のネタバレが唐突すぎる感もあるが、ジョージ・マイケルの未発表楽曲も聴けるイベントムービーとして観るなら問題なし!

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

センチメンタルなChristmas映画!

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

脚本家としてもオスカー受賞しているエマ・トンプソンがワム!のヒット曲から発想しただけあって、Christmas映画らしい仕上がり。とある男性との出会いで心清くなるヒロインが他者への思いやりや家族の大切さに気づく展開を「ありきたり」と皮肉に思わずに、素直に受け止めたい。ホリデーシーズンだしね。主人公を演じるエミリア・クラークは現代劇となると顔芸がものすごい上、やや演技過剰に思えるシーンも多々。ただし、控えめ演技なH・ゴールディングとのバランスは取れているので、物語を邪魔することはない。P・フェイグ監督らしい笑いには欠けるが、センチメンタルな気分に浸れる。そして次回のロンドン旅行の宿題もできた。

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

ベタだけど涙腺を直撃すること必至のラブストーリー

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 ジョージ・マイケルおよびワム!のヒット曲を全編に散りばめつつ、全世界共通の定番クリスマスソングである「ラスト・クリスマス」にインスパイアされたラブストーリーが描かれる。これが、なるほど!そういう解釈で来ましたか!という感じで、非常にベタな展開ではあるものの、それだけに油断していると涙腺を直撃すること必至。貧富の格差や排他主義といった社会問題をきっちりと織り交ぜ、隣人と仲良くする、困っている人に手を差し伸べる、他人の痛みに寄り添うなど、みんなが当たり前の“正義”を大切にすれば、世界はほんの少しでも良くなるはずという直球なテーマも素直に感動できる。これはエマ・トンプソンの脚本の力が大きい。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

余計な予想をしないで観れば、感動も大きくなる見本のような一作

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

タイトルどおり、ワム!の名曲が要所で流れ、主人公が働く店がクリスマス用グッズを扱うかわいいショップ、舞台はネオンきらめくロンドンと、映画全体でクリスマスムードを高める効果は満点。新たな出会い、恋のときめき、なかなか会えないやるせなさ、ちょっぴり不思議な体験と、物語自体にもクリスマスの小さな奇跡が織り込まれ、『ブライズメイズ〜』のポール・フェイグ監督らしい、ふざけたギャグが、深刻になりかける恋の運命を明るい方向に引き戻す。

そしてこの作品、映画の本質を考えさせる一本でもある。それは……まっさらな気持ちで向き合い、流れに身を委ねれば驚きと感動を味わえる、という本質。

この短評にはネタバレを含んでいます
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