『きみの瞳が問いかけている』吉高由里子&横浜流星 単独インタビュー

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『きみの瞳が問いかけている』吉高由里子&横浜流星 単独インタビュー

目を合わせないからこそ感じたこと

取材・文:高山亜紀 写真:高野広美

事故で視力と家族を失った明香里と、キックボクサーとして将来を期待されながら挫折した塁。偶然出会った二人がやっと幸せを手に入れようとした矢先、思わぬ試練が降りかかる。三木孝浩監督による純愛ラブストーリー『きみの瞳が問いかけている』で、視力を失ったヒロイン役に挑戦した吉高由里子と10キロ増量でキックボクサーにふんした横浜流星。ダブル主演で初共演を果たした二人が、時間をかけて作ったキャラクター、そして愛について大いに語った。

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8年ぶりの恋愛映画に照れまくり

吉高由里子&横浜流星

Q:吉高さんは『僕等がいた』以来の恋愛映画だそうですね。

吉高由里子(以下、吉高):実はラブストーリーに苦手意識があって、気づいたら8年も経ってしまっていたという感じです。恥ずかしいというのが一番にありますし、私にそんな需要があるのかと考えてしまうんです。今回、久々の三木監督と、そして横浜流星さんとご一緒できて、すごくいい経験になりました。

Q:横浜さんとは初共演ですね。

吉高:横浜さんはすごく色っぽい顔つきの時もあれば、子供みたいにとってもピュアな感性も持っている。今日久しぶりに会ったら、また一段と大人になっていてびっくりしました。周りの24歳にはいないような落ち着き方だなと思います。

Q:二人はどのように距離を縮めていったんですか?

吉高:クランクインの前に三木監督と横浜さんと一緒にご飯を食べに行きました。その時に連絡先を交換して、撮影に入る前から頻繁に連絡を取るようにしていたので、役に追いつくスピードで仲良くなれました。

横浜流星(以下、横浜):ご飯に行った際にいろいろとお話できたことも大きかったですね。最初はどんな方なんだろうとドキドキしていたんです。そうしたら、テレビで見るままの方でした。明るくて、気遣いが行き届いていて、僕が何をせずとも吉高さんから距離を縮めていただきました。

吉高:実はもっとチャラチャラしているのかと思っていたんです。「イケメンでキャーキャー言われてるんでしょう?」と思っていたら、実際はすごく謙虚で真面目でストイック。なんて好青年なんだと好感度爆上がりです(笑)。

横浜:吉高さんはいろいろな人の立場で物事を考えられる方。ものすごく視野が広く、たくさんのことを細部に渡って見ているんです。僕が30歳になった時に果たして、そこまでできるだろうかと考えるとすごいなぁと思います。

目を見て芝居をできないからこそ感じたこと

吉高由里子&横浜流星

Q:吉高さんは今回、視力を失った役に初めて挑戦したそうですが、日常生活の細かなところまで実に細かく演じられていましたね。

吉高:自分にとって初めての挑戦であり経験でした。クランクインする前に時間をいただけたので、視覚障害のある方たちにお会いして、お話を聞いたり、実際に白杖を持って歩いてみたり、目隠ししたまま料理をしてみたり、いろんなトライをしてから作品に入れました。

Q:実際に経験してわかったことも多かったのではないですか?

吉高:例えば、白杖で確認できるのは下だけなんです。だから目線の高さの障害物はまったくわからず、恐ろしさがありました。その期間はすごく指先や耳が敏感というか、冴える感じがしました。視力を消すことはできないので、実際には見えているのですが、家の電気を消して目隠しをして生活してみると、見えないからわかる気配があると気づきました。

Q:お互いの視線を感じながらお芝居できない難しさがそれぞれあったのではないですか?

横浜:やはり目を見て会話ができないのは大きな違いだと思いました。だから、普段よりもさらにもっと相手に思いを届けようという気持ちが強かったかもしれません。それが届いているかどうか不安だったので、これでもかというほど吉高さんの目の奥の方を見ていました(笑)。でも見えない分、手で触れることによって、いろんなことが感じ取れるとも思いました。

吉高:たまについ目を見てしまって、「ごめん。いま目が合っちゃったね」ってこともありました(笑)。でも、そのおかげで出来上がった映画が新鮮に感じられましたね。塁の表情や初めて知る顔がたくさんありました。

横浜のおんぶは吉高史上、最も○○

吉高由里子&横浜流星

Q:横浜さんはキックボクサー役のために10キロ増量したそうですね。

横浜:キックボクシングのプロの方々の体は引き締まっていて、使える筋肉しかついていません。撮影まで余裕があったので、筋トレをして、食事に気を配って、時間をかけて体を作っていきました。肉体改造は全然苦ではありません。逆に、空手をやっていた頃を思い出して、ちょっとワクワクしていたくらいです。ただ食事が辛かったですね。僕はそもそも脂っぽいものとかをそんなに食べないのですが、いつも以上の量を摂取しなければならなかったので大変でした。

Q:アクションシーンがものすごい迫力で、恋愛映画の旗手である三木監督の作品とは思えないほどでした。

横浜:三木監督も格闘技好きで、アクションシーンの撮影はすごく生き生きとされていました。何回も何回もこだわって撮っていただけたんです。出来上がった作品を観てよかったと思いましたけど、撮影の時はもう倒れる寸前でした(苦笑)。

Q:ラブストーリーとして気に入っているシーンはありますか?

吉高:三木監督はやっぱり撮る画が優しいんですよね。柔らかくて、ちょっとかわいらしくて、不純なものが一切ない感じ。監督の人柄が反映されているような気がします。私は明香里が塁の顔を確認するシーンが好きですね。優しさに包まれているようです。

横浜:その前の二人の幸せな時間を回想するシーンも好きですね。すごく美しい画になっていて、三木監督でなかったら、また全然違う印象のものになっていたと思います。

Q:塁が明香里をおんぶして階段を上るシーンも印象的でした。

吉高:おんぶのシーンは大変でした。撮影初日だったのに、横浜さんはいきなり階段を上らされて。逆に私がおんぶしたいくらいでした(笑)。

横浜:いやいや、全然余裕です。女性におんぶなんてさせられません。永遠に僕がおんぶします。

吉高:毎回のように作品の中でおんぶされてきましたが、今までおんぶされてきた中で一番(体が)硬かった。石に顔を乗っけているのかなと思うくらいでした。もう肩や腕の筋肉がカッチカチで、顔に突き刺さってくるような。痛いくらいでした(笑)。

愛する人のためなら?本音さく裂

吉高由里子&横浜流星

Q:この映画を通じて愛についてどう考えましたか?

吉高:応援したいというか、見ていてすごく温かい気持ちになるのは、この二人が見返りを求めない関係だからだと思うんです。「これだけやってあげたのに」みたいな邪念が入ってしまうと、また違うストーリーになってくるんだろうな。そういう愛情と憎悪の紙一重みたいな作品も面白いとは思うんですけど、こういう“ただ君を思う”ラブストーリーは美しいです。

横浜:ただその人を思い、犠牲とは思っていないのかもしれないけれど、その人のためを思ってちゃんと行動する。そういうところが素敵ですよね。

吉高:もし自分だったらできる?

横浜:わかりませんが、そうありたいとは思います。いまはたぶん余裕がないだろうな。目の前の仕事のことで頭がいっぱいで、プライベートを優先できないから難しいとは思います。

吉高:私は自分を犠牲にするまではできないかもしれませんが、協力はしたいです。相手に合わせにいく姿勢は見せます。

横浜:やっぱり大人ですね。僕はまだまだ子供だな。合わせてほしいと思ってしまうかもしれません。

吉高:実際はどうかわからないよ。「こんなに合わせてるのに!」って逆ギレしたりして(笑)。


吉高由里子&横浜流星

体育会系らしくしっかり先輩を立てる横浜と、彼に気遣わせないよう自分からすっと距離を縮めていく吉高は息がぴったり。年齢を尋ねられ、「私? 26歳」と茶目っ気たっぷりに答える吉高のなんともかわいらしかったこと。しかも、「じゃあもうすぐ追いつくね」という横浜の優しいツッコミ! 映画の二人とはまた印象が違うけれど、こちらの二人もずっと見ていたい気持ちになるくらい。

映画『きみの瞳が問いかけている』は10月23日より全国公開

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