『トラさん~僕が猫になったワケ~』多部未華子 単独インタビュー

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『トラさん~僕が猫になったワケ~』多部未華子 単独インタビュー

母親役も自然にできた

取材・文:高山亜紀 写真:高野広美

ある日突然、亡くなったはずの夫が猫になって帰ってきた。心温まるファンタジックな世界観のなかに独特なユーモアが漂う人気コミックを実写映画化した『トラさん~僕が猫になったワケ~』。Kis-My-Ft2北山宏光がダメ夫、そして猫役を務めて映画初主演を飾った話題作だ。妻・奈津子を演じたのは多部未華子。ギャンブル好きで仕事もしない、売れない漫画家の夫・寿々男を支える良妻賢母役に挑んだ多部が、今作の撮影や活躍続きだった2018年を振り返った。

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現場での振る舞いが素敵だった北山宏光

部未華子

Q:亡くなったはずの夫が猫になって帰ってくるというユニークな内容ですが、最初に話を聞いたときはどう思いましたか。

台本を読んだ段階では、人間が猫になるって「いったいどうやって撮るんだろう?」ということばかり考えてしまいました。北山さんが“猫スーツ”を着て演じることは知らなかったので、想像もつかなかったです。

Q:猫の姿になった北山さんとの演技に難しさは感じましたか。

北山さんが猫の姿になるということを聞いて、実際に猫として立ち上がったら目線はどのくらいなのだろう……などなど撮影前はいろいろと考えていたのですが、撮影に入ると意識することも困ることもなく、自然に猫として接することができました。北山さんはほとんどのシーンが猫の姿だったのですが、気のせいかダメ夫役の姿でいるよりも現場の空気が和やかな気がしていたので、ずっと猫でいてほしかったくらいです(笑)。

Q:そんな多部さんは猫派と犬派、どちらですか。

猫も可愛いなとは思うのですが、飼っている犬は帰ったときに玄関まで迎えに来てくれるので……やはり犬派ですね(笑)。いつもそばにいて、くっついてじっと座ってくれているので、私にとっての癒やしです。

Q:撮影の際は3人家族としてコミュニケーションをとるために、何か心掛けたことはありますか。

何よりも北山さんがたくさん話しかけてくれたことがありがたかったです。私と北山さん、(娘役の平澤)宏々路ちゃんの3人が出番を待つ場所がわりと小ぢんまりとしたところで、意識せずとも距離が縮まっていくような空間だったので、ゲームをしたり話したりして、ずっと3人で過ごしていました。待ち時間のゆったりした空気は、北山さんが作ってくれたような気がします。北山さんの現場での姿はすごく素敵で、宏々路ちゃんもとても懐いていました。

本格的な母親役は初めて

部未華子

Q:多部さんのお母さん役というのが新鮮だったのですが、演じてみていかがでしたか?

実はこれまで本格的に母親を演じたことはありませんでした。撮影前は、絶対に母親に見えないだろうなと気にしていたのですが、演じた奈津子は娘とも友だちのように接する明るく天真爛漫なお母さんだったので、楽しく自然に演じられたような気がします。

Q:可愛らしいお母さんでありながら、夫の寿々男を支える母性的な面もありますね。

漫画家としては売れてはいないのですが、奈津子は寿々男の才能を信じているんだと思います。私自身はそんなふうになれないな。寿々男のことをどんなときでも信じてあげられる器の大きさは、すごいなとは思います。奈津子にとっては、それが一番の幸せなんだと思いますし、彼女自身も嫌なことも嫌と思わない性格だと思うんです。それは素晴らしいなと感じます。寿々男にとっては最良の奥さんでしょうし、そういう人がパートナーだというのは羨ましいです。

Q:北山さんも「寿々男みたいな男はダメだ」と言っていました(笑)。

もちろんダメかダメじゃないかでいったら、明らかにダメなタイプです。それなのに奥さんは節約しながら、愛情たっぷりで接しているんですよね。私ならいくら愛があるとはいえ、そこまでできないな。やはり寿々男のことは好きになれないです(笑)。

自分の感情に正直でありたい

部未華子

Q:多部さんはこういう女性でありたいと指針にしていることはありますか。

特に何かを意識していることはありませんが……。特別なときでなければあまり感情を表に出したくないなとは思っていますね。もちろん本当にうれしいときなどは言葉で表したいのですが、そうでないときはいつも同じテンションでいられるように、と思っています。

Q:自分の感情に正直でありたいということでしょうか?

そうですね。怒るときはきちんと怒って、楽しいときは「楽しい!」と心から思いたい。伝えたいというより、自分のそのときの感情を大切な誰かと共有したい。いつもはそんなに感情に波がないぶん、本当に楽しいこと、辛いことがあったときは理解してほしい。同じ気持ちを分かち合えたらいいなと思うんです。

30代のテーマは国内旅行

部未華子

Q:2018年は多部さんにとって、どんな年でしたか。

振り返ってみると、本当に忙しかったですね。2018年は「20代最後の年」というのが自分のテーマだったので、「とにかく仕事をいっぱいしてみたらどうかな」と思ったんです。正直、大変だったし休みがほしいときもありましたけど、自分でやりたい、やってみたいと思った仕事しかしなかったので、悔いのない毎日を過ごせたんじゃないかなと思っています。そのぶん、2019年はしっかり休みたいです(笑)。

Q:30代のテーマは何でしょう?

とりあえずは、しっかり休みをとりたいと思います(笑)。旅行にたくさん行きたいですね。これまでは海外が多かったので、国内にも目を向けつつ。もともと旅行が好きで、よく行っていて、作品が終わるたびに旅をするというのが自分のペースだったのですが、2018年はそうする間もなく「終わったらすぐ次の作品」という間隔でした。特に下半期は友だちからの誘いもすべて、断らなきゃいけないような状態だったので、やはり休みは必要だと思いました。ただ、自分で決めたことなので後悔はしていません。

Q:作品の撮影が終わるごとに旅行に行くのは切り替えるためですか。それとも、自分へのご褒美として?

演じた役から抜け出せないということは今までなかったのですが、撮影が続くと私のなかでさまざまな欲求が高まってくるんです。撮影中はとても辛くても、航空券をとったり一緒に行く友だちを探したりして、旅の計画を話している時間が気分転換になって、それに向けて頑張ろうと思えたりもします。今年は旅行できなかったぶん、いろいろな場所に行くことをモチベーションにして、女優としてさらに頑張りたいなと思っています。


部未華子

2018年は樹木希林さんと共演した『日日是好日』をはじめ、映画や舞台に大活躍だった多部未華子。自身も多忙だったと振り返る充実した20代最後の1年を過ごした。劇中で演じた実に素敵な奥さんでお母さんだった奈津子さんに対して、「なりたい」ではなく、「こんなパートナーがいてくれたら」というのもきっと本音。自分の感情に正直でいたいという彼女は発言もストレートで嘘がない。飾り立てない、内面から勝負するありのままの美しさで、30代もそのまま躍進し続けてほしい。

映画『トラさん~僕が猫になったワケ~』は2月15日公開

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